設備故障を防ぐ環境改善とは?
空調設備とヒューム対策の重要性
製造現場において空調設備の導入は、作業者の快適性向上や熱中症対策として広く活用されています。しかし近年では、それ以上に「設備の安定稼働」や「故障予防」の観点から空調環境を見直す企業が増えています。
工場内は生産設備から発生する熱に加え、粉塵や溶接ヒュームなど様々な汚染物質が存在しています。これらは従業員の健康だけでなく、生産設備や制御機器にも悪影響を及ぼす要因となります。

設備故障の原因は温度だけではない
工場内の高温環境は、制御盤やインバータ、PLCなど電子機器の寿命を縮める原因になります。そのため空調設備を導入し、工場内の温度を適正に保つことは、設備保全の観点から非常に有効です。
しかし、設備トラブルの要因は温度だけではありません。近年の現場調査では、制御盤内部への粉塵侵入や電子基板への微粒子の付着による異常動作、冷却ファンの目詰まりなど、空気中に浮遊する汚染物質が原因となる故障事例も少なくありません。
つまり、「温度環境の改善」と同時に「空気環境の改善」が重要になっています。
法改正で注目された溶接ヒューム対策
2021年4月から、溶接ヒュームが特定化学物質障害予防規則(特化則)の管理対象物質に追加されました。これにより、金属アーク溶接等を行う事業者には、次のような対応が求められるようになりました。
- 溶接ヒューム濃度測定(個人ばく露測定)
- 測定結果に応じた呼吸用保護具の選定
- 作業環境の改善
- 労働者への教育
その結果、これまで「作業者の健康管理」という観点で考えられていた溶接ヒュームが、「工場全体の環境管理」という視点でも見直されるようになっています。
ヒュームは設備にも悪影響を及ぼす
溶接ヒュームは非常に細かい金属粒子です。発生したヒュームは工場内を広範囲に拡散し、次のようなトラブルを引き起こす可能性があります。
- 制御盤内への侵入
- センサーの感度低下
- 電装機器の汚損
- 冷却性能の低下
- 電子部品寿命の短縮
空調設備によって温度管理ができていても、ヒュームそのものを除去できなければ、設備トラブルの根本対策にはなりません。
ヒューム対策・空調環境の見直しはお気軽にご相談ください
溶接ヒュームの発生量や作業内容、レイアウトによって最適な機種は変わります。現地調査(無料)で発生源の状況を確認し、集塵機・ヒュームコレクタと空調設備を組み合わせたご提案をいたします。
空調設備とヒュームコレクタの組み合わせが効果的
工場環境改善では、空調設備とヒュームコレクタはそれぞれ異なる役割を担います。
空調設備
- 温度・湿度の管理
- 作業者の快適性向上
- 熱による設備負荷の軽減
ヒュームコレクタ
- 発生源でのヒューム捕集
- 工場内への拡散防止
- 設備への粉塵付着抑制
- 法令対応の環境改善支援
つまり、工場全体を快適にする「空調設備」と、発生源対策を行う「ヒュームコレクタ」を組み合わせることで、設備保護・作業環境改善・法令対応を同時に実現できます。
導入設備例
① 淀川電機製作所|溶接ヒューム用集塵機 SETシリーズ
- 特化則への対応を前提に設計された溶接ヒューム専用の集塵機
- 発生源での捕集により、工場内へのヒューム拡散と設備への粉塵付着を抑制
掲載元:淀川電機製作所 溶接ヒューム用集塵機 SETシリーズ
② アマノ|移動式溶接ヒュームコレクタ FD-10
- アーム付きの移動式タイプで、溶接箇所の近くまで吸込口を近づけて捕集できる
- 作業場所が変わる現場でも使いやすく、特化則対策の代表的なモデル
まとめ
空調設備は設備故障の原因となる高温環境を改善し、生産設備の安定稼働に大きく貢献します。しかし、特化則改正によって対策の重要性が高まった溶接ヒュームは、作業者の健康だけでなく設備故障のリスク要因にもなります。
これからの工場環境改善には、「空調による温度管理」と「ヒュームコレクタによる発生源対策」の両立が欠かせません。
法令対応だけでなく、設備保全や生産性向上の観点からも、今一度ヒュームコレクタ導入による環境改善を検討してみてはいかがでしょうか。

