インターロックにおけるドアスイッチの安全対策と選定ポイント
工場の安全対策において重要な役割を果たす「インターロック」。特にドアスイッチ周辺の機器選定は、作業者の命を守るために欠かせません。 今回は、機器のリスクから最新の安全機能まで、ドアスイッチ選定における5つの重要ポイントを解説します。
また、当社ではインターロックの基礎としてコラムを掲載しておりますので、そちらもご一読ください。
1. 安全プラグの危険性と「無効化」のリスク
未だに多くの安全対策設備で使用されている「安全プラグ」ですが、最新の安全規格に準拠していない事はご存じでしょうか?
安全プラグは構造上、2箇所の穴の端子をショートさせる事で「ドアが閉まっている事」を保証しています。ですが、針金やクリップピン等をU字に曲げて穴に突っ込めば、簡単にショート状態(=閉まっている状態)になってしまいます。
つまり、「扉は開いているのに閉まっていると認識させる事」が出来てしまい、これを「無効化(安全機能を無くす)」と言います。
この様に、簡単な操作でインターロックを無効化出来てしまう安全装置は、非常に危険なので現在では認められていません。もちろん、社員の方への安全教育は重要ですが、原理的に故意に無効化出来ない機器へ更新することも重要です。
2. セーフティドアスイッチの安全性(無効化防止構造)

安全プラグに対して「セーフティドアスイッチ」には、ドア側に設置されている「アクチュエーター」と呼ばれるドグが、柵側に設置されたスイッチ本体の穴に入る事で「ドアが閉まっている事」を保証する仕組みがあります。
このドグは特殊な形状をしており、ある程度の力で挿入しないと入らない構造になっているため、簡単にインターロックの無効化が出来ないようになっています。
3. 慣性のある設備に必須!電磁ドアロックスイッチ
先述したセーフティドアスイッチに対して、さらに「電気的に鍵を掛ける」タイプの商品です。使用用途は、設備の稼働中に扉が開かないようにして、安全を確保する為です。
設備の慣性によるリスク
例えば、大きな慣性を有する回転体を持つ設備や、大型のプレス機等は、扉が開いた信号を検知して緊急停止させようとしても、完全に止まるまで数秒から数十秒動き続ける設備が有ります。 この場合、単なるドアスイッチでは簡単に扉が開いてしまい、設備が惰性で動いている最中に中へ入る事が出来てしまいます。
これを防止するために、設備稼働中は電気的にロックし、インターロック状態を継続させて扉を開けられない様にします。
NOタイプとNCタイプの使い分け
また、このスイッチにはNO(ノーマルオープン)とNC(ノーマルクローズ)の2種類が有り、使い分けが出来ます。
NOタイプ(通常電源OFFなら扉が開けられる) 停電時には電磁石がOFFになるので、扉を直ぐに開くことが可能です。
NCタイプ(設備停止までに時間が掛かる場合) 安全を考えて、停電時でもロック状態を維持などが求められる場合に使用します。
4. 閉じ込め事故を防ぐ「緊急脱出用ドアハンドル」
万が一設備内部に閉じ込まれてしまった場合でも、始動予告サイレンが鳴った際に緊急脱出が出来る様に、ドアスイッチの設備側(内側)にハンドルが付いたタイプが有ります。
これは、電磁ロック中でもハンドルを操作する事で扉が開き、同時に設備は緊急停止する仕組みになっています。
5. メンテナンス時の誤起動を防ぐ「ロックアウト金具」
調整や整備などで設備内部に複数の作業者が入る時が有りますが、再稼働前に作業者が全員退避したかどうかの確認には時間が掛かります。また、まだ人が残っているのに誤って再起動してしまうと大きな事故になります。
これを原理的に防止する為に、以下の方法を採用している企業が有ります。
セーフティドアスイッチのアクチュエーター挿入口にカバーをする。
そのカバーに各自が携帯している南京錠を掛けてから、設備内部に入る。
作業終了後に出てきたら、南京錠を外す。
これにより、設備内部に作業者が残っていない事を確認します。南京錠を掛けずに中に入ったら命が無くなる危険性が有るので、正に『命の鍵』です。
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